2020年1月、新型コロナウイルス感染症の国内感染か報道されてから1年。
日本語教育界はどうしても国際関係に左右されがちです。

現在、日本語教師を目指している方もいらっしゃいますよね。
日本語教師の仲間が増えるのはとても楽しみです。
人の夢を奪いたくなんかありません。
そのつもりで今回の内容を書くのでもありません。

ただ、どうしても簡単に夢を応援する内容にはならないかもしれません。

今回は、コロナ禍でまだ先が見えない現状、私から見た日本語教育業界がどのような環境なのか、残しておこうと思います。
誠に勝手ですが、個人的な記録の意味もあります。

現在の仕事

勤務先はコロナ以前と変わっていません。
ただし、授業数が変わりました。
最初、日本語学校は週3(半日)の授業がありましたが、第一回の緊急事態宣言で、週2に減り、夏休み明けのタイミングで週1に減り…
ということで、最初の契約では週3日の勤務での契約でしたが、週1になってしまいました。
文句は言えませんが、収入に直結するので厳しいですね。
今のところ、回復の見込みはありません。
そのため、新年度以降に関しては、いまだに何の話もなく、先が見えません。
もしかしたら、週1さえもなくなってしまうかもしれません。
普段なら、1月くらいには新年度の意向調査があるのですが、一切何もありません。
そろそろこちらから確認してみようかと思っているとことです。

そして、授業はというとこの週1勤務もオンラインでの授業になったので、学生と直接会えません。
(オンライン授業の運用に関しては近々改めて書きたいと思っています。)

専門学校でも授業が減りました。
これはコロナというよりは、後期になって時間割が変わったからなので、仕方がありませんね。
心配なのは来年からの数年間です。
2020年来日予定だった留学生が来日できなかったので、日本語学校に入れませんでした。
日本語学校に入れなかったということは、直接専門学校に留学できない日本語力の学生は、そのまま後ろにずれ込むことになります。
留学を断念した学生ももちろんいます。
そうなると、専門学校に入学する留学生も向こう数年は絶対に影響が出ます。
むしろ、向こう数年で改善するといいんだけど…楽観視できないのが現状ですね。

企業で持っているレッスンはもともと予約制なので比較が難しいですが、レッスン数が激減しています。
コロナを気にして対面のレッスンに行かないとはっきり言うクライアントもいたそうです。
オンライン対応したら戻るのかというと、そう簡単な話ではないと思いますが、このままでは厳しい状況なのでしょう。
個人で生徒獲得に動けるわけではないので、企業にお任せするしかありません。
「お願い!!!頑張って!!!」って感じです。

今年に入ってからオンライン日本語教師のプラットフォームに登録してみました。
登録すれば細々とでも授業ができると思っていたのは事実です。
要因はいろいろあるでしょうが、今のところ全く予約がなくレッスンができていません。
予約がない理由は一つではないと思います。
設定金額、講師ページのインパクト、容姿、めぐりあわせ…ただ、いくら大きなプラットフォームですでに学生がたくさんいるからといって、資格があれば、登録できれば、単純に安くすれば、授業の予約があるというわけではなさそうです。
これに関しては、答えがわからないなりに改善しつつ、様子を見るしかありません。
ついでに言うと、オンラインは資格がなくても問題ないので、資格があることが必ずしもプラスになるというわけではありません。
そして、今現在、ものすごく競争率が上がっています。

私はオンラインであれなんであれ、薄利多売は避けたいし、避けてほしいのが本音です。
どんな媒体でも日本語教育はそんなに安い仕事であるべきではないと考えているからです。
ただ、そこは個人の自由なので、ほかの人のことまでは何とも言えませんね、当然ですが。

今後数年の日本語教育界に関する懸念

これは研究者でも何でもない、ただの一個人の見解です。
証拠もありません。

求人の傾向

まず、注意したいのは「学生の入国状況により待機」という条件の有無です。
最近、春の新学期に向けて求人を出している学校を見ます。
ただ、日本に入ってくる留学生が回復しないと授業ができません。
そこで、求人は出すし、募集も本当にしているけど、授業をお願いできるのかどうかに関しては入国状況次第として、難しい場合は回復するまで待機してください。という学校があると聞いています。
去年一年間の給付金関係はかなり線引きが微妙で、私は結局申請すらできませんでした。
ほかにも授業予定だったとはいえ、シフト制と同じ扱いとして給付金が全く支払われなかったという話も聞いています。
つまり、待機を受け入れたとして、待機期間の給料に関しては何も保証されない可能性があるということです。
しっかり吟味してください。
求人に書いていなかったとしても、面接などではっきりと確かめてください。
「言いづらくて」とか言っている場合ではありません。

経験の有無にも影響が出ているようです。
少し求人を確認するだけでもそうですが、「未経験不可」が増えました。
今は日本語教師も余っているので、経験豊富な先生が仕事を探している現状があります。
日本語学校も即戦力として、未経験者ではなく経験者を求める傾向があります。
しばらくは未経験者にとっては苦しい求職活動になりそうです。
もちろん、ほかの経験があって、その経験が十分に買われる可能栄はあります。
むしろ、積極的にそんな学校を求めるのがいいのでしょう。

さらに、オンライン授業に対応できるかどうかも重要です。
コロナで入国ができないことや、度重なる緊急事態宣言に対応してオンライン授業を実施した学校も多くあると思いますが、今後の採用活動はオンライン対応ができるかどうかを挙げている学校が増えました。
この1年ですが、日本語学校では「オンラインにします」と通知はあっても、適切な研修がある学校はそう多くないようです。
機材をそろえるための出費に関しても手当てがあるとは限りません。
(私の勤務校では研修も手当ても何もなしです。)
どこまで許容できるのかという個人の考えと、事前のすり合わせはしたいところです。

海外の求人に関しては渡航ができるのかによって対応に大きな差が出ます。
求人は出していて、面接などはできても、すぐには渡航ができないことが多いです。
ニュースを見れば説明の余地はありませんよね。
飛行機は少ないし、国によっては日本からの入国を認めていないし、仕方がありませんね。こればっかりは。

まとめ

あくまでも肌感覚ではありますが、未経験・新卒だと厳しい数年が続きそうです。
日本語教育界はなんとも変わったところで、新卒はあまり歓迎されていないように感じます。
経験者が過剰に優遇される傾向があるように感じます。
今、役職についているような先生たちが、そのように転職してキャリアを重ねてきたからなんでしょうか。
新人教育のやり方とか…知らないのかしら???
業界に不満もありますが…
日本語教師は続けたいので、様子を見つつ、生活が維持できる方法を探っていく必要がありそうです。