コロナ禍でオンライン授業が急速に進みましたね。
「いずれは」と思っていた人も求めていた以上のスピードで切り替わったのではないかと思います。
そこで、一部ネットの情報では携帯電話を有効に使うことで活発な活動につながっているといわれています。
もちろんツールですから、正しく使えば有効で効果的な学習に繋げられますよね。

今回は、対面授業で携帯使用が能動的な活動になるのか、実際に使用できるのかを個人的に考えてみました。

第一印象は難しい

「少し古い考え方に固執している」「できないと言っているだけでは結局できない」「できるかどうかではなく、やろうとしているかどうかの差」という声が聞こえてきそうですが、第一印象は難しそうだと思いました。

①先生同士の共有
使うかどうかは個人の自由としていいと思いますが、どんなアプリをどのように使うのか。
どんな使い方ができるのか。など、「自分で適当にやって」と投げられてしまうのは現場のものとしてはきついですよね。
このようなIT系のツールに抵抗がない先生もいれば、可能な限り使いたくないと苦手意識を持っている先生もいます。
そのため、使うのであれば先に先生側に研修というか、使い方講座みたいなものが簡単にでも行われるのが親切ではないでしょうか。

②どこまで個人のディバイスを使用するのか
ケチと聞こえてきそうですが、「授業で携帯を使いすぎて帰り道には電池残量が黄色信号・・・」というのは嫌です。
そのために充電器を余分に持ち運ぶのも荷物が重たくなるので好きではありません。
画面共有などで、個人が使用しているアプリが分かってしまうのも避けたいのが本音です。
学校側で授業時使用のディバイスが配布されれば問題ありませんが、現実的ではありませんよね。

③アカウント使用問題
ディバイスもですが、そもそもアカウントはどうするのか・・・
例えば、ラインを使用して意見を出し合うとする。そのときのアカウントは普段から個人で使用しているものを使って学生とのやりとりをするのか???
私は嫌です。(現状は、勤務校では学生と個人のやりとりができるツールを交換するのは禁止されています。)
いつ何時でもやりとりができる状況になるのは・・・嫌なんです。
それに、学校に禁止されていると、自分がどんなにルールを設けてやろうと思ってもできないんですよね。
嫌だと言っておいてなんですが、融通が利かないのはそれはそれで面倒に感じるときもあるのです・・・

④そもそも授業準備としては・・・使いづらい?!
マイクロソフトなど、スマホでもアプリがあるので使いないわけではありませんが・・・
どうしても使いづらかったり、物によっては機能が制限されていたりするので注意が必要です。
制限がある中で作るくらいなら、パソコンでよくない?となってしまいます(私は。)
学生の中には、パソコンの代わりにスマホでプレゼン資料を作ってくる学生もいますが、テレビに映したり、ハンドアウトを作成したりするのには苦労している学生もいます。
結局、パソコンが一番いいのかな、授業準備には。

さて、ここまではなんとも難しそうという第一印象から来るネガティブな感想が続きました・・・
でもスマホだって使い方次第では無限の可能性がありますからね!


①自立学習のきっかけになる
基本的には、学生には自分で学習できるようになってほしいですよね。
学校にいるうちは教員がいますが、勉強は基本的に自分のためにするものだし、先生がいなくてもできるようにならないと学校以外では学習できないということになってしまいます。
初めのうちは教員がサポートすることもあるかもしれませんが、何をどうやって使うのかが分かれば自分で勉強できます。
また、その方法が学校と自宅でつながっていれば、いつでもどこでも自分で勉強ができるようになります。
そういう意味では、スマホを切り離して考えて「授業では一切使わない」などと言っていると・・・
やたらと「勉強しろ」というだけの教師と、やろうにも出口が見つからない学生でいつまでたっても平行線ですね。
授業では、「使わない方法」ではなく、「上手に使う方法」を取り入れて活用するくらいの心意気のほうがいいのかもしれません。
※「ゲームをしていて正しい使い方をしない」という場合も確かにありますが、それも本人の選択です。それに、現在教員の多くの人が、学生時代は内職したり携帯を隠れて使ったりしていたのではないでしょうか。褒められたものではありませんし、立場が変わって思うこともありますが・・・いつの時代も大きくは変わらないということでしょう笑

②遠隔前提だと、むしろスマホがいいツールになる
新しく買いそろえる必要もないですし、アプリを活用したり、指定のデータを取り込んだりするだけで同じ場所にいるように授業ができるのは大きいですよね。
例文なども板書だと書き留めるのが大変ですが、LINEするのと同じように打ってしまえばいいだけなので、教員も学生も負担が減ります。
必要な人は後で見直すこともできますし、不要な印刷物も減らせます。
授業を休んでしまっても、資料も情報も同じように得られるというのは本当に大きなメリットですね。
私は、ゲームとかは特にスマホ活用前提でやりたいと考えています。(学校の方針で叶いませんが)

③個人でスピードが異なる学習に使いやすい
例えば聴解など、1回で足りる学生と何度も聞いて確認したい学生が一緒にいるクラスだと、必ずどちらかが我慢することになります。
「学校だから、周りに合わせることも大事ですよ」と教えたいのであれば・・・それも仕方がないのかもしれませんが、その必要があるのかは・・・ねえ?
目標値を3段階くらいにわけて、「どんどん進んでいく目標」「中間くらいまでは頑張ろうという目標」「少しでも確実に点数が取れるように理解する目標」という段階目標の授業があってもいいと思っています。
全部の授業が、とはいかないかもしれませんが。
私はテスト前などで個人に任されていて、自由度が高い授業のときに段階目標で授業を実施することもありますが、こちらが心配する必要もないくらいにちゃんとしていますよ。
確かにたまにいますけどね、全然取り組めない学生も。

現状

個人的には残念に感じていますが、思っていた以上に教育現場にICTが活かされていないと感じます。
最初は難しそうで、現状維持のほうが個人的には授業しやすそうとか思っていたくせに、ですが。
コロナの状況に一喜一憂、なんだか振り回されているようにも感じますが、教育業界にもう少し有効なICTが取り入れられることを望みます。
間違っても「元に戻す」だなんてならないように・・・!