日本語教師の雇用形態は主に2つ。
専任講師と呼ばれる「正社員」と非常勤講師と呼ばれる「非正規雇用」ですね。
学校にもよりますが、ほとんどはこんな感じで、非常勤講師はターム契約や年契約でお互い合意の上で更新されることが多いです。
私は非常勤講師として勤務しています。
理由はいろいろありますが、専任も経験したことがあるので、今回は非常勤講師としてのメリットとデメリットをまとめます!

 メリット 


①ワークライフバランスがとりやすい

専任講師はほとんどカレンダー通りの勤務ですが、非常勤は名前の通り「”非”常勤」なので授業の時だけ出勤します。
授業が無い場合は休みです。
そのため、一般的な日本語学校に勤務している場合、土日は休み。
授業が半日なら、残りの半日はプライベート。
長期休みも全部休み。
100%希望通りとはいかなくても、時間割りに関しては相談可能!
授業が終われば帰宅できるので、学校装飾などで残業することもない。
授業後は採点と引き継ぎくらいなので、慣れればさくさく終了です♪
年間スケジュールで先の予定まで見通せているので、直近以外の休みの予定だって比較的立てやすいです。
まれに代講の依頼がありますが、そんなの年に数回あるかないかですし、本当に無理なら断っても問題なし。
ということで、昨今話題になっている仕事とプライベートの両立に関しては、スケジュールや時間管理においては簡単です。

②仕事内容が明確

勤務先の契約書に書いてあることが勤務内容になりますので、学校によって多少の誤差はありますが・・・
基本的には「授業の日に来て受け持ちの授業を責任持ってやってください。授業準備もお願いします。引き継ぎもしてください。採点は基本的にはお願いしますが、事情がある場合はご相談ください。学校行事の引率は相談の上で決めましょう。」という感じです。
学校行事は当日引率や出勤になることもありますが、企画を1から行って、予約申し込みを行って、関係各所に・・・のような運営を任されることはほとんどありません。
私は今のところ、一回もありません。
学校によっては「行事は専任だけで行いますので、来てくれなくていいです。情報共有もしません。」という所もあったくらいです。
(まあ、情報共有はしてくれないと、学生に質問されるので困りますけどね)
とにかく、そういう所もあるくらいです!!
当たり前ですが、契約書に書かれていない業務内容に関しては、それがテスト作成であってもする必要はありませんし、依頼されたのであれば別途お給料を請求する権利があります。
契約書外の内容をボランティアで請け負う必要はありません!
だからこそ、契約の際に業務内容に何が含まれているのかは自分でちゃんと確認し、不明瞭な点は曖昧にせずに確認しましょうね☺

③学生対応が少ない

これは、寂しいという人もいるので、あとでデメリットにも含めるつもりですが・・・
純粋に授業だけがしたいのであって、進路指導や生活指導とは距離を置きたい・・・という人にとってはメリットになりますね。
(非常勤でも担任になることもあるので、立場によって変わりますが)
担任、進路指導などをすると、やれ学校に来ない学生の家庭訪問だとか、アルバイト先に連絡だとか、オーバーワーク防止や進学先提出のために通帳を見ないといけないだとか・・・
私は通帳を確認しないといけないタイミングや、学費を払ってくれるようにお金の話をすることが・・・避けたくて仕方がないタイプでして。
行事など楽しいことだけならいいのですが、見たくないプライベートに踏み込まないといけないのは避けられるのであれば、避けていたいと思っています。

④掛け持ち、副業など複数の仕事が可能

最近は副業可能の職場も増えていますが、非常勤というのはパートみたいなものですから問題なく掛け持ち勤務ができます。
1つの日本語学校だけではなく複数の日本語学校に勤務したら、やり方を学べる機会は2倍、3倍になりますし、人間関係も広がります。
柔軟に対応できるようになるので、新しいところでも「あ、ここはそうなんだ」くらいで気にしなくなったり、うまいことアイデアを出すことだってできるでしょう。
また、万が一、1つの勤務先で契約更新がされなくてもその瞬間に収入がなくなってしまうわけではありません。
何も掛け持ちは日本語教師に限りませんから、「一般事務もやってみたかったから~」という他業種との二足のわらじだって、本人さえ余裕があればできます。
何も夢を1つに絞らなくても叶えられます。
それってやっぱり大きいと思うんですよね。
人生は一度きり。何を大事にするのかにもよるけど、できることなら欲張りたい笑

ほかにもメリットはあると思いますが、この辺でデメリットにいってみましょう。

 デメリット 


①収入が不安定

言うまでもなく収入面に関してはデメリットの筆頭でしょう。
非常勤講師でもフルコマで授業をしたら、月給としては十分に生活できるだけの給料がもらえます。
ただ、長期休みがある月は授業が大幅に減ってしまうので、給料も減ります。
ほとんどの学校では賞与がないので、「わーい、ボーナス!」というのもありません。
あったとしても、さすがに常勤や一般企業のように数ヶ月分ポーンともらえることはありません。
もしあったら、是非教えてください!働きたい笑
そして、扶養で働きたいと思っても「年末にお休み増やして調整♪」というのもできません。

昨今の新型コロナウイルス感染症に関しても、専任はぎりぎりまで仕事がありましたし、休校になっても給料が全く支払われないということはないでしょう。
しかし、非常勤は授業がないと出勤ができないので、分かりやすく収入ゼロです。

コロナ問わず、人件費削減となるとどんなにできると評価が高い非常勤でも首を切られるのは非常勤が先です。
この点は、常勤講師には全くかないません!

②福利厚生はない

社会保険への加入、福利厚生などは一定以上の授業を担当している場合は加入できる場合もありますが、加入できることが基本ではありません。
確定申告も自分で行う必要があります。
特に掛け持ちの場合は確定申告必須です。
保養所とか・・・使いたい人は、そういうのも非常勤にはありません。

③かやの外感

授業の大半は非常勤講師が担当しますが、学校行事や進路指導の多くは専任が担当していることが多いです。
そのため、学生が楽しそうにしている行事に非常勤はほとんど参加できません。
進路を相談されても最終的には専任(担任)の仕事です。
学校によっては、分かりやすく専任の学生!というような態度をしてくる学校もあります。
残念ですが、そうなると非常勤はなぜか部外者的な感じに・・・(^^;)

メリットでもあげた関わり合いが薄くなりがち、というのがこのことですね。





今度は専任のメリットとデメリットもあげてみようと思います!
日本語教育界は非常勤講師がいることで成り立っていると言っても過言ではない業界です。
どちらが上とか、偉いとか、そういったことで判断できることでもありません。
自分の働き方や価値観、環境に合わせて選択できるのは業界としての最大のメリットだと思います!

ちなみに今回の比較は国内の日本語学校に勤務する場合に考えられることだという前提でお願いします♪