網膜剥離になって、片目の視力が大きく変わってしまって1年ちょっと経ちました。
この間に目にメスを入れる手術は2回。(正しくはメスではないんですけど、慣用的にね)
水晶体は取ってしまい、無水晶体の状態です。
そのため、今も片目は見えていません。
失明という意味ではないので、見えているということにはなりますが、腕を伸ばした状態で自分の手が見えません。ぼやーっとしすぎて周りと同化してしまうのです。
色の境目は分かりません。
物も距離や大きさによっては存在が消えます。
それでも残っている片目に頑張ってもらって、日常生活を送っています。

別に不幸自慢のブログではありません。
反対に、こんなんでも頑張っている。という皮肉的な内容にするつもりもありません。
かわいそう大会もしません。
当然ながら、感動ポルノもないです。
だからって、必要以上に「前向きに」頑張っていこう!みたいな、明るく努めようとも思っていません。
もちろん、「病気したけど、幸せだよ」というのもないです。
ないないづくしです。

じゃあ、何よ?って、ひとつは記録。
記録しないからって忘れるということもないけど、それでも記録。
そして、自分が悩んだ時に情報が見つからなかった不安から。
私の体験、病状が、誰かのそれと一致するのかというと、正直そんなことはないんです。
すがるようにたどり着いた人がいたら「ごめんなさいね」って感じになっちゃうわけだけど・・・
でも、何の情報も見つからなくて不安が加速しすぎて。
私は可能性のある方向性が分かっていると少しだけ安心するタイプです。
それが自分の先と一致しなくても「こういうこともあるのか」ということを知りたいタイプ。
だから、同じように仮定が知りたいという人がたどり着くかもしれないと思って記録しています。

つまり、不安なことをあまり知りたくないという人は、このままそっと閉じてしまったほうがいいかもしれません。
読んでくださるという方も、私は偉そうなことは言えませんが、あなたの病状と私の病状は完全に一致するということはないでしょう。
だから、「こんな患者がいたと読んだから」と医者の話が聞けなくなるのなら、読まないほうがいいかも。

私は自分の主治医を信頼しています。
だからこそ、医者が言うことが一番正しいと思って治療に臨んでいます。
今後、自分の視力が回復することがないと分かっていても、主治医の治療目的が視力の回復ではないと分かっていても、それでも信頼しています。

もうひとつは知ってほしいという気持ちがあるから。
障害者手帳をもつような方のことは、テレビで取り上げられることもあるし、目が行きやすいです。
それがいいこととして捉えられることもあれば、よくないことと思われることもありますが、認知度があるということは、お互いに対策・対応ができるので悪いことでもないと思っています。

でも、「網膜剥離」はボクサーのように強い外傷があった時の病気、じゃなければ、高齢者がなるものと思われている側面があって、その病状がどんなものなのか、知らない人も多いですよね。
早期発見であれば視力が元に戻るし、そのような人が多いと思われているように感じます。

私は片目が使い物にならない状態になりましたが、障害者にはなりません。
障害者手帳発行の条件に当てはまらないからです。
それが、いいとか悪いとか、そういうことはないんですが、片目しか使えないとに日常生活で不便もあります。
例えば、外見では分からないので、「両目見えているのに距離感の分からないやつ」みたいになってしまいます。

だから、いわゆる障害者じゃなくても、外見では分からなくても、いろいろあるさーと知ってほしいなと思っています。
影響力があるわけでもない一般人の独り言です。

こんな書き方腹立つわー、という人もいるかもしれません。
反対にそんなことがあるんだー、と読み進めてくれる人もいるかもしれません。
ただ、いずれにせよ、誰かを傷つけたり、自分の経験が全てだと発信したりする意図はありません。

不安な誰かに、不安になってしまっている大切な人のために、模索している人にひとつの意見・経験として届いたらいいなと思っています。