先日、非常勤講師のメリットとデメリットをあげましたので、今回は常勤講師で考えてみます。
専任講師とも呼ばれますね。
基本的に「正社員」の雇用形態にある日本語教師を指すことにしましょう。
メリット
①給料・福利厚生
正社員ですから、授業が多くても少なくても毎月給料がもらえます。
年俸制ではない場合は基本的に賞与ももらえます。
やっぱり、毎月安定した収入があり、ボーナスまでもらえるというのはありがたいですよね。
社会保険加入にもなりますし、年末調整も会社がやってくれます。
金銭的な安定は心の安定にもつながりますからね~♪
産前産後休暇の取得もできますし、時短勤務やフレックスなど制度があれば利用できます。
ワーママ希望なのであれば、戻れる職場があるのはありがたいですよね。
昨今の非常事態(新型コロナウイルス感染症の感染拡大)で学校の休校が決まっても、その瞬間給料が出ないということはほとんどありません。
前例のないことですので、今後どのように変化があるのか(ないのか)は誰にも分かりませんが、急に雇用が打ち切られることもないので、非常勤と比べると安定していると言えるでしょう。
②授業だけでなく学校運営全体に関わることができる
授業だけではなく、学校行事を企画・運営したり、生徒募集のための広報活動をしたりと、学校全体のことに関われるのは常勤ならではといえます。
自分のアイデアを具体化してどんどん動かしていきたいという人には、やりがいのある業務だと思います。
学校によっては生徒募集のために海外出張があったりもします。
旅行ではないので遊べるわけではありませんが、海外の教育機関の人と直接話ができる機会になりますし、学生がどんな環境で生活し、学んできたのかを垣間見ることができるので、授業の際にいかせるかもしれません。
③学生と授業以外で関わることが多い
生活指導・相談、進路指導、行事など、授業以外のことは非常勤講師よりも常勤講師が対応することが多いです。
(※担任が非常勤の場合は、非常勤でも担任が関わっていくことになります)
クラスを問わず、学生を覚えて話をする機会も多くなるので、授業以外の時間を学生と過ごしたい人は常勤講師のほうが楽しさを感じる場面が多くなるでしょう。
そして、いい/悪いではありませんが、学生は子供ではないので先生の立場を理解しています。
授業を担当している先生、普段職員室にいる先生、生活や進路指導・行事の先生・・・と。
誰が偉いとかではありませんが、学生が名前を呼んで先生に直接アポを取る時、誰に声をかけるべきなのか、よく分かっています。
授業時間外に授業についての質問をしてくる学生は減りましたので、非常勤講師が名指しで呼ばれることは少ないです。
④授業以外にも経験が積める
常勤の先生たちは基本的に非常勤の先生たちをまとめる仕事が含まれます。
そのため、カリキュラムを作ったり、教科書選定を行ったり、授業進度を考えて計画書を作成したり、試験を作ったり、日替わりの非常勤の先生の授業を一本筋になるように必要に応じて調整を図ったり、たりたりたり・・・
非常勤は基本的に学校からもらった進度表をもとに授業を行えば最低限の仕事は全うしたことになりますが、常勤はその前後を考えなければなりません。
今は非常勤で勤務していますが、このときの経験があったので授業内で個人的に確認テストを作る時にどのようなテストにしたらいいのか考えられますし、カリキュラムを組んだことがあるので授業内でカットしてもいいところが見つけられるようになりました。
常勤にこんな言い方したら文句っぽいかも・・・というのも経験したからこそでしょうか?笑
デメリット
①休みの調整
有給はありますが、基本的に自分の担当の授業がある時は・・・望みが叶いにくいです。
学校によっては土曜日に持ち回り出勤があったり、ほかの人と希望が重なった時は調整が必要です。
そして、常勤の中でも役職があったり担任だったりすると、休みの日でも致し方なく出勤して面談をすることもありました。
(このようなことは少なかったですが、ゼロではありません)
②業務内容とその量
残業もありますからね、帰ることには真っ暗!ということだってあります。
授業が夕方に終わるので、勤務時間が一般企業に比べると早く終わる錯覚に陥ることもありますが、そんなことないですよ。
普通です。普通に勤務です。
行事前、テストの前後、入管申請期間・・・総出で仕事をしても追い込まれるような業務量、専門外の書類作成など、協力しないといけない時だってあります。
どうしても行きたい飲み会があってもタイミングが重なったら諦めるしかないタイミングもあるし、家に帰ってからも授業準備で寝るのが深夜になったりもします。
常勤はタイムスケジュールが上手にできれば、授業準備まで勤務時間内に終わらせることもできますが、失敗すると時間外の業務がとんでもなく増えることもあります。
上手に業務計画を立てたいものです。
③たまに変な学校にあたる
言い方失礼なんですが・・・告示校の全てが「優良校」と認められているわけではありません。
といいますか、国が「優良校」とうたっても、それは条文に則している学校だというだけで、勤務する側にとっていい学校という意味ではありませんからね。
上の人があまりにもワンマンだった、理解できない謎のルールが多すぎる、改善を提案しても全く聞き入れてもらえない、パワハラ上司がいる・・・
一般企業で社会的問題になっていることは日本語学校にもあります。
狭い世界ですし、長いこと日本語教師畑を進んできた人は違和感を感じにくくなっている面もあるかもしれません。
毎日「先生~」と呼ばれて、なんだか偉い気がしているなんて人もいたりします。
問題はその相談先が苦手な教員だったりすることです。
他に部署があるわけでもないので、違う方面に助けを求めるのは難しかったりするのが現実です。
学校の方針や上司の方針と自分の考えがどうにも合わないことだってありますよ~
立場は理解しつつ、受け入れられないことを求められたりね。
私は「病気だというなら全部病院へ行かせて、欠席の場合は写真でもいいから領収証を提出させろ」というものが・・・
学校の立場も理解していますが、無理じゃない?と。
案の定、学生は提出しないので(病院へかかる金銭的な余裕もない学生が多いですからね)、学生が休む度に「先生、どういうことですか?ルールは守らせてください」と言われるという(^^;)
私はあまり気にしないので受け流していましたが、参っちゃうタイプの先生にはキツいでしょう。
辞めてしまえばいい話ですが、「非常勤の辞める」と「常勤の辞める」は違う感じも・・・という人だっていますよね。
入ってみないと実態はつかめないのですが、辞めたいと思ってからの退職までは長く感じるので、外れくじを引かないことを願います。
他にも思うところはあるかもしれません。
今回はこんなところにしておきます!
ライフスタイルや希望に合う勤務形態が選択できるのはこの業界の大きなメリットだと思います。
私はどちらも経験できてよかったと思っています(^^)
いい選択ができるといいですね☆