今いちばん、世間を騒がせているのは「新型コロナウイルス」でしょう。
日本語教育界も大打撃です!!!
記録もかねて、何が起きているのかを書いていきます。
入国できない問題
まずは、これです!!!
想像の通り、一時帰国者が再入国できません。
各国で鎖国状態の水際対策をしているので、自国を出国もできないし、日本への入国もできません。
既に学生ビザを持っている再入国の学生も例外ではありません。
また、4月に入学するはずだった新規の留学生も当然、入国できません。
国によっては、ビザ申請のために国内の対応機関に出向くこともできないとのことなので・・・
いつになったら日本へ来られるのかなんて、誰にも分かりませんし「見通し」というものも存在しません。
授業の開講ができない
既存の学生に対しては、現時点では学校ごとの対応にゆだねられているので、在校生だけで授業をする計画の学校が多いようです。
しかし、新入生に対するクラスに関しては、開講そのものができません。
また、国によって入国時期が異なると、同一クラスの予定でも最初から授業の進度や習熟度に大きな影響が出ます。
本当は50音からスタートだったはずの学生が、遅れてきたために教科書が進んでしまっていて、最初からついてこられない・・・という状態ですね。
在校生が一定数いる学校は、一部遅れとして、開講できるところから対応していくのですが、そもそも新入生が多い、新規開校の予定だったという学校は授業そのものができませんね。
そして、授業がないと仕事がないのが私たち。
どんなに授業準備をしてもお金にはなりません。
非常勤講師の雇用
新型コロナウイルスの状況が大きく変わり始めたのが年度末だったということで、急に契約更新の話がなくなってしまった先生もいます。
更新の予定だったのに急に更新がなくなった、無期限待機になった、こういう状況になると、他業界と同じでどんなにキャリアがあっても非常勤雇用の先生から切られていくのです。
そして、現実的には授業をしない限りは給料だってもらえません。
ユニオンなど対策を考えてくれている日本語教師の団体もあるようですが、日本国内のみならず、世界的な異常事態なので、いくら法律が「非常勤も保障」と示していても簡単にはいかないようです。
なんと・・・大変なことになってしまったのでしょう。
こうなると、更新ができないとはっきり言われたほうが新しいところに動き出せていい人もいるのかもしれません。
無期限で待機といわれても・・・待機の先が保障されているわけではありませんからね。
特に、契約書の期限・・・年度末で切れるものではありませんか???
留学生の日本離れ(危機感!)
これはデータがないので、なんとも言えないのですが、今回のコロナの対応については、日本の対応は世界的にみて全く評価されていないといっても過言ではないくらい厳しいものです。
政府対応だけではなく、この事態でも町中をうろついている若者が報道されることで「日本人はのんき」「警戒心がなさすぎる」と一般人の行動も厳しい目で見られています。
このことから「日本は危ない」と判断している人もいるのです。
そして、自分の子供を日本へ行かせることを止めたり、既に日本にいる家族に帰ってくるように言ったり・・・
友人関係でも同じことが言えますが「一度失った信頼を取り戻すのは難しい」ということでしょう。
危機管理の甘さや、対応の不備からくる不安感は簡単には払拭できないのかもしれません。
授業のウェブ化
身近な話として、授業をネット配信やウェブカメラを使用したものに完全に切り替えて行ったという話はほとんど聞きませんでしたが、今後は対応策の1つとして考えられるかもしれません。
(友人の学校は期末数コマの授業をウェブ授業に完全に切り替えたと話していました。)
まだ通常勤務をしていた時に雑談で話していたことですが、「非常事態はウェブで授業する日が来るのかもしれないね~」「ウェブ授業に対応できる人って求人に書かれるのかな」と半分は笑い話でしたが・・・
実際、コロナの影響でネット英会話の需要が高まっているという現実があります。
フリーランスの日本語教師でウェブ授業を実施している人は一定数の授業を確保できているという話もあります。
さすがに完全に業界がウェブ授業に変わるということはないでしょうけど。
授業数の確保
告示校は年間授業時間数が決められています。
一定期間休校になった場合、どうするのでしょうね?
異常事態ということで、下回っても配慮してもらえるのか・・・
長期休み期間に補講をするような形で対応できればいいんでしょうけど、先が見えないので「もし、もし」で考えるのは難しいですね。
学生の安全確保
きちんと学校に来ている学生、連絡がとれる学生はいいのですが・・・
在籍はしているが不登校になってしまった、学校に来ない限り連絡がとれない(携帯料金未払いなど)という場合、学生管理を学校に求められても限界があります・・・
言い方は悪いですが、本当に逃げ出してしまおうという学生は上手にやるんですよね、そういうこと。
生活のためにアルバイトは休めない経済状況の学生も多いですし。
命あってこそ、ではありますが、具体的な救済措置の発表がなく不安からアルバイトには必死に通っている学生もいますよね。
日本語学校の学生は保険料をちゃんと払っていないために病院に行きたがらない学生もいます。
レベルによっては日本語が分からないから病院へ行かない学生もいます。
今のところ、症状からコロナを疑って困っているという話は入ってこないので、このまま何事もなく終息に向かうことを願うばかり。
今回は非常勤講師への対応、留学生の対応、社会としてどうしていくのか、「分からない」が多すぎることが問題なのかもしれません。
とはいえ、誰にとっても経験の無い状態で何かを決定・発信するのは難しいですよね。
人材が使い捨てにならないこと、留学生が置き去りにならないこと、日本語学校も学校であることが認められた対応がなされることを願います。
なにより・・・新型コロナウイルスさんよ、もうよくない?
いい加減お引き取りください。本当に!!