日本語教師になるためには、一定の資格が求められるということは、目指している人には十分に知られていますよね?
大学へ行ったり、養成講座に行ったりするわけですが、当然「大学院」も選択肢の一つです。
でも、理系研究職というわけでもないし、費用や期間のこともある・・・それに「研究テーマ」なんて言われても・・・でも、実際は大学院も行くに越したことはないのかも?と、迷う人もいますよね?
働く現場で「大学院修了」が求められているのか考えてみました。
大学院は必須ではない
まず、はっきり言って、大学院を修了したという日本語教師は少ないのが現状です。
想像の通り、大卒や養成講座修了での日本語教師が圧倒的に多いのです。
そして、「大学院修了者=優れた教員」というわけではありません。
当たり前ですよね?
社会人になるときによく言われますが、高学歴有名大学を卒業している人が必ずしも仕事の面でも優秀とは言い切れないのです。
日本語教師の業界でも同じです。
大学院を目指した方がいい人は?
これは公式見解ではありませんので、一つの意見として参考にしていただければと思います。
①主任になりたい人
②大学で教鞭をとりたい人
③国際交流基金などの海外事業に参加したい人
④養成講座など、日本語教師養成の教師になりたい人
①主任になりたい人
現時点では、大学院を修了していることは基準にはなく、告示校での経験年数が求められます。
ただ、最近入管に行った主任がこんなことをぼやいていたのです。
「いやいや、新規開校のために我慢したけど、主任になるのに大学院は修了していないのかって質問、失礼にもほどがある」
つまり、今後は大学院修了者のほうが有利な可能性があるのです。
未来のことは誰にも分かりませんから、あくまでもそのように変更される可能性が否定しきれないということだけは念頭に置いておきましょう。
今現在、既に日本語教師でキャリアを積んでいれば、経験で十分に主任を務めることもできると思いますが、そうでないのであれば大学院も視野に入れたほうが思うキャリアプランの実現に近づくかもしれません。
②大学で教鞭をとりたい人
現在、大学からの求人を確認すると既に「大学院終了、もしくはそれ同等」という文言があります。
研究論文に関して問われている所もありますね。
日本国内だけでなく、課外の大学も大学院の修了者を求める傾向があります。
「もしくはそれ同等」と例外を示してはいますが、何をもって同等なのでしょうか・・・?
分かりませんね・・・
ということで、大学で教えたい人は自身が大学院を修了していること、あわせて大学院進学指導ができることが求められるでしょう!
余談ですが・・・
ほとんどの場合は、日本語学校で教えるよりも大学で教えるほうが待遇がいいです。
ただ、任期付きの更新で、最大勤務年数が決められているところもありますから、求人をしっかりと確認しましょう♪
③国際交流基金など海外事業に参加したい人
ここでは国も絡んだ海外事業に注目していきます。
交際交流基金など海外事業の場合、無資格でも行けるコース・大学卒業者対象・大学院終了者対象など、様々なものがあるので、大学院が必須というわけではありません。
ただ、この例では、大学院修了者は全コースに応募ができるのに対し、無資格だと1つにしか応募ができません。
また、大学院修了者対象のコースの場合、他のコースよりも申し込める人数が少ない分、応募者も少ないと言われています。
もちろん、活動内容が違うので、大学院修了者の全員が該当コースに応募すべきだなんて思っていませんよ。
「とにかく海外に行きたい!」という人にとっては、応募できる条件が広がりますよ、という意味です。
私は実際に国際交流基金での派遣経験者があるお友達先生に「国際交流基金での派遣を希望するのであれば、大学院修了を目指したほうがいい」とアドバイスを受けました。
④ 養成講座など、日本語教師養成の教師になりたい人
養成講座の教員は、極論をいうと、日本語教師の経験がなくても採用されることがあるくらい曖昧なものではありますが・・・
自分たちが、養成講座の学生になる場合、日本語教員の経験がある人のほうがいいし、大学院修了と聞くと、理論もしっかりしていそう・・・と、ステレオタイプではありますが、印象がよくなるという人もいるでしょう。
近年、日本語教師の注目度が上がり、新規の養成講座も開校されているので、求人を目にすることもありますが「大学院修了者」という一文・・・あります!!
最初に申し上げたとおり、どれも「大学院必須」ではありません。
なくても日本語教師はできますし、日本語教師養成講座で教鞭をとることもできます。
海外での日本語教員に関しては、告示校でもないので、場合によっては日本の日本語学校よりも甘い条件で募集がでていることもあります。
ただ、現場で見聞きした限り、求めるキャリアプランによっては、大学院が水面下で求められたり、有利にはたらくというのは事実ですよ!という共有です。
簡単に大学院へ行くという選択をするということができる人は少ないかもしれません。
今後のキャリアを考えて、取捨選択!
必要なステップを踏んで進んでいきましょう☺